シンクタンクフォト・プロトーク:大塚雅貴

仕事でシンクタンクフォト製品を愛用されているプロ写真家に話を聞く「シンクタンクフォト・プロトーク」。今回は、世界の風景や民俗取材をライフワークにされているフォトグラファー、大塚雅貴氏をご紹介致します。

大塚氏は野町和嘉氏に師事して北アフリカ取材に同行したのち、中国雲南省の棚田を取材、そののち石田研二氏に師事、現在は単身サハラ取材を重ねて、砂漠に生きる民族の生活を記録し続けています。

電気も水道もない砂漠地帯に何週間も滞在し、地元部族と寝食をともにして撮影を続ける大塚氏には、都市部で活躍するフォトグラファー達とは違った苦労もあるようです。
以下、銀一シンクタンク・スタッフ(TTP)との一問一答です。


TTP:お帰りなさい、今回見せてくださった写真はどこで撮影されたものでしょうか。
大塚:今月、約1ヶ月の取材を終えてアフリカのニジェールから帰国しました。

TTP:サハラ取材は慣れたものとはいえ、毎回苦労があるのでは?
大塚:今回は地元警察に拘束されたり、移動に使っていたクルマが砂上で何度もパンクししたり、エンジン不調で思うような行動を取れず、かなり行動範囲を制限された1ヶ月間でした。

TTP:取材地域は安全なのでしょうか?
大塚:実際に訪れた地域に住む人々は親切ですし、何度も訪れているので顔を覚えてくれておりトラブルも少ないのですが、隣国では戦争が発生しました。またその戦争に反対する組織によるテロが心配されたり、また外国人を狙った誘拐も報道されたので、今年は取材スケジュールを見直して早めに帰国しました。

TTP:遠隔地取材では、何が一番大切ですか?
大塚:もともと観光客がまったく来ない地域なので、外国人の存在は目立ちます。それを頭に入れた上で、自分の取材目的とリスクとのバランスを考えながら動くことが大変重要です。また、万が一の時に自分を助けてくれる信頼のおける人物や組織を現地で構築しておくことも重要ですね。
あとは毎日の飲料水の確保、さらに温暖で雨の多い都市部では、蚊が媒介するマラリアなどの病気にも気を付けなくてはなりません。

TTP:取材に使うカメラ機材については?
大塚:今回は購入したばかりのキヤノンEOS 5D Mark IIIを2台、そしてレンズは3本のみという最小限の荷物で赴きました。2台のカメラボディには広角ズームと標準ズームをそれぞれ付けっぱなしにして、砂による不具合を避けるためにレンズ交換は最低限に抑えています。
サハラの砂は極小で、どこにでも入り込みます。移動時にはカメラをビニール袋に包んでからシンクタンクのエアポート・エッセンシャルに収納し、さらにバッグの上から付属しているレインカバーを掛けて行動します。
あと、砂漠特有の悩みといえば電源ですね。砂漠にはコンセントは無いので、充電済のバッテリーを1ダース持って現地に入るのです。

TTP:晴天でもレインカバーなのですか!?
大塚:過去に砂によってカメラがダメージを受け、また他社製カメラバッグもファスナーが壊れてしまったことが多々あり、少しでも砂による影響を減らそうと考えてレインカバーを使っているのです。
砂による苦い経験から、今回はファスナーが大きくて丈夫なシンクタンクを選んだのですが、それが大正解でした。砂漠では一晩寝ると翌朝にはバッグは砂に半分埋もれているような状況もあるのですが、YKKの10番ファスナーを使っているシンクタンクのバッグはノントラブルでした。

TTP:取材現地までは飛行機による移動ですよね。
大塚:成田からまずフランス・パリに行き、そこでニジェール行きの飛行機に乗り換えます。こうした乗り換えが発生する行動では、なるべく身軽に行動したいものです。今回はエアポート・エッセンシャルのほかに、アーバンディガイズ40V2.0を使って、その2つを機内持ち込みしました。
どちらのバッグもコンパクトなので、座席上コンパートメントや前席下にすっぽり収まりました。大切な機材を手元に置いておける安心感は、なににも代えがたいですね。

TTP:今回の取材で撮った写真はどんなかたちで発表されるのでしょうか?
大塚:まだ帰国したばかりで、画像ファイルの整理もこれからです。年内は日本にいるので、ゆっくりと作品を吟味して、写真集や雑誌といった媒体への出稿を予定しています。
サハラには、先進国と違った悠久の時間が流れています。人々は過酷な気候のなかで、物質的には貧しくても、自分達の家族やコミュニティを大切にしながら、助け合って生きています。私はこうした姿に感動を覚えて撮影しているのですが、今後も通い続けてアフリカに暮らす人々の姿を記録してきたいと考えています。

TTP:帰国後の忙しい日程を割いてご来社頂き、ありがとうございました。これからも異国情緒溢れる素敵な写真をみせてください。

大塚雅貴オフィシャルサイト
http://www.photo-otsuka.com